column 007 2002 渡辺貞夫カルテット ツアー日記

3月28日(木)

 今日からまた長旅です。気持ちも新たに新潟県十日町市へ出発!実はこの町、私の母親の実家があり、夏祭りや雪まつり等、よく遊びに来ていました。去年も貞夫さんのツアーで来たのですが、私が高校生の時参加していた埼玉のジャズバンドのベースの方と十数年ぶりに再開したりと色んな巡り合わせがあります。そして会場の市民会館のピアノは私の大好きなベヒシュタインのフルコンサートグランド“EN”なのです。日本に数える程しかないこのピアノとこの町で出会えるなんて、不思議な巡り合わせを感じます。しかし今日は音楽の難しさも実感しました。前回のベイシーとは全く違うホールという環境、静かに聞いているお客さんという中、もっと何とかしなきゃという思いが逆に自分の首を絞めてしまった様です。そんなことを色々反省しつつ打ち上げ会場へ。どうやら最初は静かで大人しいのはここの土地柄なのか?徐々にヒートアップして行きセッションも始まったりして大盛り上がり大会に!最初からこの気分で演奏出来れば良いのだけど、う〜んまだまだ修行が足りない私。

3月29日(金)

 やってしまいました。完璧に飲み過ぎです。奇跡的に集合時間の30分前に起きれたので、他人に迷惑を掛けずにすんだものの、相当辛い。よって死体状態のまま電車にゆられ一路福井へ。今日の会場はハートピア春江というホールなのですが、小ホールで音響的にもデッドな感じだったので、ライブハウスとの中間ぐらいといったところでしょう。何となく残っている昨日の感じを払拭したいと思い、色々トライしてみるのですが、まだ結果はうまくでないかなぁ。良い所もあれば悪い所も多々ある。まあ、そんな時はあれこれ考えずに寝ようじゃないか!やっぱり睡眠不足は良くないですからね。

3月30日(土)

 今日は四日市市のJAZZ HOUSE ビーボというところで演奏です。貞夫さんも四日市市は二十数年ぶり、だれも行ったことの無いジャズクラブで若干の心配もあったのですが、とても良い雰囲気の場所でひと安心。演奏するスペースは普段はカウンターのあるバーのスペースなのですが、貞夫さんの提案でPA無しで演奏することになりました。よって私もピアノオンリーで本番に臨みます。このスペースに120〜130人が入るので、PA無しで聞こえんのかい!と思うでしょうが、これがちゃんと聞こえるんですよ。ピアノの高音部を弾くと、お客さんにぶつかってしまうくらいお客さんは近くにいるのですが、なんとも良い感じ。しかも皆さん、隣のレストランスペースで一杯ひっかけているので、かなり盛り上がって(出来上がって)います。お客さんとの素晴らしい一体感と共に演奏は無事終了。やはりこのような音楽の原点的なライブは良いですね。お陰で私もあれこれ考えていたトンネルを抜けた様で、こうなれば明日も楽しく自分らしく演奏出来そうです。

3月31日()

 さあ、いよいよドラムの横山君の故郷に錦を飾るライブ〜!彼は清水市在住だそうですが、ここ富士市のケルンが本拠地ということで、仲間が大勢駆け付けました。そして今日のライブの模様は渡辺貞夫ナイトリーユアーズで5月にオンエアーされる模様です。詳しいことが解り次第またお伝えします。収録もライブも無事終了。ここのマスターを始めとする大人達がこの高校生のドラマーを温かく見守っている姿が印象的でした。さあさあ、これで4連チャン終了!別に演奏が嫌ではないのですが、やっぱり嬉しいお休みです。

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