column 010 2004 渡辺貞夫 South Africa 旅日記

 今回の“North Sea Jazz Festival”は1万人以上収容できる屋内のステージを始め、5つステージが用意されました。我々のステージはなんと野外だ!(およそ5千人収容。)実は野外だなんてスタッフを始め誰も知らなくて、ここに着いて初めて知ったのです。決まってんだったら教えてよ!と心の中で突っ込みを入れつつ、最も心配な楽器をチェックします。今回シンセは日本から持ち込んだので良いのですが、さてピアノはどうかと見るとカワイのピアノでした。正直なところ野外で生ピアノに色々なことを求めるのは酷なのでまあ良しとしよう、と思ったのですがピアノの椅子にはうけました。普通の椅子よりだいぶ大きく色は黒。そうですねーなんて言うか…、リビングのテーブルとしても良いかも。座ってみるとクッション性ゼロ。テーブルだからあたりまえか、いやいやそんなことは…、でも高さ変えられないしなぁ…。あっ、でも天板、もとい…座面が上に開いて中が物入れになるんだ…。まあこんな事は可愛いことで、今回もスタッフは大変だったようです。マイクが用意されてなかったり、言った通りに回線が繋がっていなかったりと、あれこれトラブルがあったようです。そんなこんなで予定より遅くなりましたがリハーサルが始まりました。しかし考えてみれば明日、我々の出番はこのステージの最初ではないので、きっと本番はまた違う事になっているのでしょう。はたして吉と出るか凶と出るか、あれこれ考えてもしょうがないので、とにかく楽しく自分の演奏をアピール出来るようにと心に誓いリハーサルを終えました。

 さてさてこの後は歓迎レセプションがあるのです。私達の泊まっているホテルから会場まで出演者はなぜかクラッシックカーに乗ってパレードしたのですが、私はスタッフと一緒にバスで会場へ移動です。会場は六本木や麻布辺りにあってもおかしくないスタイリッシュなレストラン・バーといった感じ。エントランスのアプローチに赤いじゅうたんがひいてあり、なんかこっぱずかしいけどそこを通って中に入ると既に出演者、関係者で溢れていて華やかな感じです。主催側の挨拶などがあり、しばらくして登場した右の写真のバンドが非常にカッチョよかったのです。写真にも映っていますが、みんな踊りまくりです。もちろん私も踊りましたよー。いやー何て言ったら良いのか、とにかく踊りたくなる素晴らしいリズムなんですね。こういう演奏を聞くと、あんまり比較したくはないですが日本のポピュラーシーンってリズムが貧弱だなーと思わざるを得ません。多彩なリズム、人間が演奏しているからこそ得られるしなやかなビート感。このフィーリングを味わったら、今日本で流行っている打ち込みのR&Bやヒップホップが、なんて色褪せて聞こえる事か…。かく言う私もミュージシャンのひとりですから、他人事ではありません。こんなフィーリングで演奏できるように精進せねば!と思いつつも踊り明かす歓迎レセプションだっだのです。明日はいよいよ本番だ!

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