column 010 2004 渡辺貞夫 South Africa 旅日記

 さあ、いよいよ本番です。楽屋からステージに移動してみてびっくり!すでに超満員ですごいことになっています。貞夫さんは本当にアフリカで大人気なのです。左の写真はLIVEの始まる直前に撮ったのですが、何となく雰囲気伝わるかな? いやーそれにしてもアフリカのお客さんは最高ですよ。音に素直に反応してそれを表現するのが、演奏する側にストレートに伝わってくるって言ったら良いのかなぁ、こんな大きな野外のステージでもあっという間に一体感が生まれるのです。バンドの演奏が熱を帯びて行くのと同時に聴衆もヒートアップして行くあの何とも言えぬ雰囲気、聴衆のパワーで自分の演奏がいつもより押し上げられる様なフィーリング、自分のソロに対して観客がウワーッとなっていく感じ等々、本当に素晴らしいですね。しかし音楽だったらすべてこうなると言う訳ではありません。うわべだけで格好つけた音や退屈なビートでは駄目なのです。何て言ったら良いのかなぁ…、音楽の根源みたいなものが問われるような気がします。

 熱狂的な聴衆とともにコンサートは大いに盛り上がりました。最後に貞夫さんが、南アフリカではだれでも知っているという曲「Sho Sho Lo Za」を演奏すると、すぐに会場全体の大合唱となりました。いやーこれが本当に美しく素晴らしかったのです。…ということでコンサートは無事終了!私にとっても非常に素晴らしい、貴重な経験でした。
 
 翌日は飛行機でブルームフォンテインという所に行き、そこからバスで約2時間のVirginiaという小さな町でおこなわれたジャズフェスに参加したのですが、これまた得難い経験をしてきました。

 スタッフの話では、今までの仕事で一番状況がわからないと言ってました。演奏した本人ですら未だに色んな事がわかっていませんがまあ何とかなるもんです。それにしてもお客さんはすべて地元の黒人で白人は全くいません。別に暴動は起きないと思うけど、ステージ前は金網でガードしてありちょっと物々しい感じです。カメラマンが写真を撮る為客席に行く時、ガードマンが2人付いたみたいなのでやっぱり危なかったのかも知れません。

 ここでも渡辺貞夫グループの演奏で聴衆は大いに盛り上がりました。またもや「Sho Sho Lo Za」を演奏したのですが、ケープタウンを上回る大合唱になりました。大勢の人達がひとつになるパワーって本当に凄いですね。何だか南アフリカの人々から沢山パワーをもらった気がします。本当に色々貴重な経験が出来ました。よっしゃー、日本に戻ってからも頑張るでー!

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